高齢化社会の進行で高まるニーズ
近年は住宅価格の高騰もあり、住宅購入者が減少し、住宅ローン利用者が減っているが、その中でもリ・バース60は安定的に推移している。
例えば、リ・バース60と同様に住宅金融支援機構が民間機関と提携して実施している「フラット35」の利用実績をみると、2024年7月~9月の利用の申請戸数は8440戸で、前年同期比は89.4%だった。
それに対して、同じ時期のリ・バース60の申請戸数は399戸で、前年同期比は96.6%となっている。フラット35は1割以上減っているものの、リ・バース60は数%程度の減少にとどまっている。
フラット35を利用できる機関はメガバンクから地域金融機関まで全国に及び、メガバンクから信用金庫、モーゲージバンクまで300以上に達しているが、リ・バース60を利用できる機関はまだ限られており、2024年11月段階で87機関にとどまっている。
今後、リ・バース60の認知度が高まってくれば、取り扱い金融機関が拡大し、ノンリコース型の採用時と同様に、急速に増加する可能性もある。
利用者拡大の最大の要因は、高齢化社会の進行にある。若いうちに建売住宅やマンションなどを買った人たちが、60歳以上になり、「2階建ての住まいは住みにくくなった」、「広すぎて掃除や管理が大変になったので、手頃な広さのコンパクトで、かつバリアフリーの住まいに移りたい」というニーズが強まっている。
しかし、60歳以上になると、簡単に住宅ローンを組むことはできない。そこで、原則的に60歳以上が対象で、支払いは利息分だけでいいというリ・バース60が注目されるようになってきたわけだ。