トランプは日鉄のUSスチール買収を承認も、側近が入れ知恵する公算大
ローマ時代最悪の暴君になぞらえられた大統領がいよいよ始動
2025.1.10(金)
高濱 賛
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「労組ボスにおもねるバイデン」と非難
これに対して、USスチールのお膝元、ペンシルベニア州選出のダン・ミューザ―下院議員が保守系FOXニュースとのインタビューでこう批判したのだ。
「バイデン氏の決定はペンシルベニア州の鉄鋼労働者と鉄鋼製造の将来にとって大打撃だ」
「日本製鉄とUSスチールとの合併は、おびただしい数の仕事を保証し、さらにUSスチールをグローバルリーダーに押し上げる最先端技術を提供する」
「バイデン氏は、同盟国である日本と敵対国・中国とを混同し、労働者の意志を無視し、労組ボスに迎合した」
「ペンシルベニア州の世代間の鉄鋼労働者と米国民は、もっと良いチャンスを与えられる資格がある」
(Rep. Meuser Joins the Big Money Show on Fox Business | Representative Dan Meuser)
ミューザ―議員は、家庭器具製造で財を成したビジネスマン出身。
コーネル大学卒のインテリで、同州のトム・コルベット知事の税務長官を務めたのちに下院選に出馬し当選、現在3期目。
2024年下院議員選挙ではトランプ氏は真っ先にミューザ―氏を支持、物心両面から支援している。
同氏は、いずれ日本製鉄のUSスチール問題でも地元の生の声をトランプ氏に「ご進講」することは間違いない。
トランプ周辺に近い保守系メディアのベテラン記者はこう見る。
「トランプ氏は、バイデン氏が行った息子ハンター氏に対する恩赦やうわさされるリズ・チェイニー前下院議員の恩赦、オフショア油田採掘禁止などは、就任後、直ちに無効にすると見られている」
「USスチール問題でもバイデン氏が合併を禁じたとなれば、それに反対する可能性大だ」
「バイデン氏のやることなすことすべて反対し、ひっくり返すのがトランプ氏の真骨頂だ」