政治的狂信者エラガバルスは短命だった

 そのトランプ氏を、英保守系の雑誌「スペクテイター」のメアリー・バード氏が「帝王」と評した。

 紀元218年、ローマ帝国の皇帝に就いたマルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス皇帝(俗名エラガバルス)になぞらえたのだ。

 若くして皇帝になったエラガバルスは、奇行が目立ち、政治的狂信者で、セックス道楽を好む暴君だった。

 男性として生まれたが、女性の服を身に着け、性器の切断手術を希望すらしたともいわれている。最後には側近によって暗殺された。

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 トランプ氏がそこまでセックス道楽に耽ってきたかどうかは分からないが、これほど異性関係でスキャンダルが司法の場で取り上げられた大統領も稀有だ。

(トランプ氏は1月8日、最高裁にニューヨーク州控訴裁が判決を下したトランプ氏に対する不倫もみ消し工作罪を破棄するよう求めた。連邦裁ではなく、州裁判であるため大統領権限による恩赦ができないケースと判断した苦肉の策だった)

 もっとも、神を信ずる宗教保守のエバンジェリカルズは、そうした点には一切目をつぶり、徹頭徹尾トランプ氏を支持してきた。

 この日を記念して、トランプ流聖書「God Bless the U.S.A. Bible」が発売される。

 新旧聖書には米国憲法と独立宣言がついており、値段は69ドル99セント(約1万1000円)だ。

(2016年の時にもトランプ版聖書の出版が検討されたが、一部宗教界から反発があり、キャンセルになっていた。今回は、トランプ氏はこうした反対を黙殺、宗教界もあえて反対しなかったという)

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