1月8日、ワシントンの連邦議会議事堂で共和党議員らとの会合後、ジョン・バラッソ上院議員が見守る中、演説する米国大統領のトランプ氏(写真:ロイター/アフロ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

「米国の経済安全保障のためグリーンランドとパナマ運河が必要だ」

[ロンドン発]1月20日の米大統領就任まで2週間を切ったドナルド・トランプ次期大統領は7日、米南部フロリダ州の私邸マールアラーゴで記者会見し“トランプ2.0”における米国の外交・安全保障政策の輪郭を示した。

 これまで言及してきたデンマークの自治領グリーンランドとパナマ運河の支配権について、それらを得るために武力や経済的威圧を使用しないことを保証するかと記者に念押しされたトランプ氏は「ノー。武力や経済的威圧を使わないと今あなたに保証することはできない」と答えた。

年明け早々の1月7日、トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニアは、父親のプライベートジェットでグリーンランドを訪れている(写真:ロイター/アフロ)
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「米国の経済安全保障のためグリーンランドとパナマ運河が必要だ。パナマ運河はわが軍のために造られた。これから何かする必要が出てくるかもしれない。わが国にとって不可欠なパナマ運河は中国によって運営されている」(トランプ氏)

「われわれがパナマ運河を与えたのはパナマであって中国ではない」「国家安全保障のためグリーンランドは必要だ。私は自由世界を守るために話している。周辺海域を見渡せば、そこら辺に中国やロシアの船がいる。彼らの好きにさせるならデンマークに高関税をかける」(同)

グリーンランドの首都ヌークを訪問中のドナルド・トランプ・ジュニア(右)=1月7日(写真:ロイター/アフロ)
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