NATOの国防費目標をGDP比の5%に引き上げ

 トランプ氏は「合わせると欧州は米国と同じような経済規模なのに米国は欧州よりはるかに巨額の国防費を使っている」と北大西洋条約機構(NATO)の国防費目標について国内総生産(GDP)比の「5%であるべきだ。(現在の)2%ではダメ」と欧州各国に引き上げを要求した。

 2%目標をクリアしているのはNATO加盟31カ国(軍隊を持たないアイスランドを除く)中23カ国。ロシアがクリミアを併合、ウクライナ東部紛争に火を放った14年に2%をクリアしていたのは米国、ギリシャ、英国のわずか3カ国だった。

 交渉ごとでは双方のスタート地点のちょうど中間が落とし所になることが多い。NATO目標の現在地がGDP比2%なのでトランプ氏が5%を主張すると中間地点は2+5=7、それを2で割って3.5%だ。落とし所は「3.5%」という読みが欧州サイドには働く。

 大統領選で「大統領に返り咲いたら24時間以内に片付ける」と豪語していたウクライナ戦争について「ロシアやウクライナとも決着をつけなければならない。最初の3カ月から6カ月。半年よりずっと前にしてほしい」と双方に停戦に向けた話し合いを呼びかけた。