グリーンランドへの中国の投資は大幅に減少

 北極圏に属するグリーンランドは面積の80%以上が厚さ最大約3キロメートルの氷床や、万年雪で覆われている。米国はグリーンランドを戦略的に重要視し、冷戦期からピツフィク宇宙軍基地(旧称:チューレ空軍基地)を設置。現在では米本土へのミサイル攻撃の早期警戒ネットワークを構築している。

グリーンランド

 地球温暖化で氷床が解けるにつれ、資源開発に熱視線が注がれるようになった。石油・天然ガス、金、ルビー、ダイヤモンド、プラチナ、銅、かんらん石、大理石のほか、液晶テレビやスマホなど電子機器の製造に使われる希少金属など70を超える鉱物種が見つかっている。

 米国地質調査所(USGS)はグリーンランド沖合には未発見の石油が最大175億バレル、天然ガスが148兆立方フィートも眠っていると推定している。10年代初頭、中国のグリーンランドへの投資はグリーンランドの地域総生産(GDP)の約12%を占めていたとみられている。

 この時期、グリーンランドの鉱業部門、特にレアアースやウラン、鉄鉱石に対する中国の関心は高かった。しかしその後、米国とデンマークがグリーンランドのインフラや天然資源への中国の関与に懸念を表明したため、中国からの投資は大幅に減少した。