8月20日、ロシアのグデルメスにあるロシア特殊部隊大学で隊員の実践訓練を視察するプーチン大統領とチェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長。ここで訓練を受けた予備兵を前線に投入するつもりなのか…(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
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2024年も残すところあとわずかになりました。今年、注目されたニュースや出来事についてJBpressでよく読まれた記事をもう一度お届けします。今回は長期化するウクライナ戦争で、ロシア領内にウクライナが逆侵攻した8月の動きに関する記事です。(初出:2024年8月22日)※内容は掲載当時のものです。

(国際ジャーナリスト・木村正人)

「モスクワをドローンで攻撃しようとした最大の試み」

[ロンドン発]ウクライナ軍は8月20日深夜から21日未明にかけ、ロシアに広範囲なドローン(無人航空機)攻撃を仕掛けた。ロシア国防省防空部隊はクレムリンの南約40キロメートル上空やウクライナと国境を接するブリャンスク州上空でドローンを撃墜した。

 モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は21日午前1時すぎ、メッセージアプリのテレグラムに「ポドリスク地区(モスクワから南へ40キロメートル)の防空部隊はモスクワに向かって飛来したドローンによる攻撃を撃退した」と投稿した。

 それによると、ドローンの破片が落下した現場では損害や死傷者は出ていない。ポドルスク市街地でモスクワに向かって飛行していた2機のドローンを防空部隊が撃墜。ドローン攻撃に対して階層化された防空システムにより計10機を撃墜、ウクライナ軍の攻撃をすべて防いだ。

 昨年9月のモスクワ市長選で77%という圧倒的な得票率で3選を果たしたソビャニン市長は「モスクワをドローンで攻撃しようとした最大の試みの一つだ。救急隊が現場で活動している。われわれは状況を監視し続けている」と報告した。