“韓国のトランプ”がずたずたにする日米韓同盟、米専門家から強い危機感
米国では韓国嫌いの本物のトランプ登場、東アジア情勢は一気にカオスへ
2024.12.17(火)
高濱 賛
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「尹錫悦は一体何をしたのか」という疑問
韓国国会は12月14日、「戒厳令」を一時宣布し戒厳軍を動員した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案を可決した。
大統領の職務は直ちに停止され、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が代行。
この後、憲法裁判所が弾劾を承認すれば尹錫悦氏は解任され、60日以内に大統領選で新大統領が選出される。
韓国政治情勢、米韓関係研究で今、注目されている新進気鋭の学者、リフ・エリック・イーザリ梨花女子大助教は、今後の流れについて、こう言い切っている。
「韓国の混乱は当分続く。まだ終わりの始まりですらない。尹錫悦氏は憲法裁判所の判事たちに立ち向かうことになるが、反乱罪で訴追は免れられないだろう」
(voanews.com/us-officials-stress-collaboration-with-japan-south-korea-amid-seoul-leadership-crisis)
米メディアは同盟国・韓国の降って湧いたような戒厳令、弾劾という激動についてコメントなしに、垂れ流し的に報じている。
ドナルド・トランプ次期大統領が2度にわたって弾劾訴追を受けた米国だけに、米国民は尹錫悦氏に対する弾劾訴追にはそれほど驚いていない。
だが、中南米やアフリカ諸国で頻繁に起こっている戒厳令が、韓国で起こったことにはショックを受けている。
尹錫悦氏の戒厳令宣布については、「支持」は5%、「反対」は21%、「中立」は42%、「分からない」は36%。
米メディア自身、その背景や先行きは見通せず、一般国民の反響はおそらく韓国に対する先入観を基にした直感的な反応と言える。
注目すべきなのは、戒厳令に対し、「あくまでも法に基づく民主主義の堅持を尊重する」とされる民主党支持派の30%が反対したのに対し、大統領選でトランプ次期大統領を支持した共和党支持派の反対は15%と半分だったことだ(「分からない」は36%)。
「共和党支持派は親日、親米派の尹錫悦大統領の戒厳令に理解を示したと見ることもできる」(保守系シンクタンク上級研究員)と言えないこともない。
(today.yougov.com/survey-results/daily/2024/12/04/)
トランプ氏は、韓国での一連の動きについてはまだコメントしていない。
しかし、共和党支持派で今後の様子を見極めようとする人が42%(民主党支持派は30%)おり、これに戒厳令発令に反対すると答えた共和党支持者15%を加えた57%の共和党支持者は、おそらくトランプ氏の対応を暗示しているとみていい。
(globalaffairs.org/commentary-and-analysis/blogs/americans-split-over-us-response-south-korean-martial-law)