未成年買春容疑で司法長官の任命を辞退したマット・ゲーツ氏に代わり、司法長官に任命されたパム・ボンディ氏(11月2日撮影、写真:AP/アフロ)

重鎮のひと言「リベラル派支配を一掃せよ」

 ワシントン「秋の陣」で秀吉(バイデン)の傀儡(カマラ・ハリス)を完膚なきまでに叩きのめした家康(トランプ)は、ホワイトハウスに舞い戻った1日目、いよいよ「冬の陣」で秀吉一派(民主党)を一気に潰しにかかる。

「政権奪還最大の目的だったアメリカン・カルチャーを蝕んできたリベラル派の支配を一掃する」

 そう豪語するのは、トランプ第1期政権の最大の功績とされる最高裁に3人の保守派判事を押し込み、保守化させるよう進言した保守派の重鎮、レナード・レオ氏*1である。

Federalist Society’s Leonard Leo wants to “crush liberal dominance”

*1=レオ氏は伝統的な保守集団「Federalist Society」の共同会長で、保守派法律家を養成する「Teneo Network」を運営、ウォールストリート、ハリウッド、シリコンバレーの大物との太いパイプを持っている。

 トランプ氏に最高裁判事候補としてニール・ゴーサッチ、ブレット・カバノー、エイミー・バレット3氏を推薦したことで有名だ。

 これにより保守派6人、リベラル派3人となった最高裁は49年ぶりに人工妊娠中絶権の合憲判決を覆している。

 大統領選中、トランプ氏は「政権発足と同時に不法移民1500万~2000万人を国外追放する」と公言してきた。

 これが勝利の決め手になったとの見方もある。

 だが、トランプ氏にとってはそれよりもまず、4年間、自分に「無実の罪」を着せ、司法当局を使って、訴追、刑務所送りを目論んできた「民主党過激派リベラル」のジョー・バイデン大統領と「共謀者」ナンシー・ペロシ前下院議長を血祭りに上げる方が先だ、と見る向きもある。

 彼らを追い出し、更地にしてからでないと、ワシントンに沁みついた「リベラルの溜池」は一掃できないというわけだ。

 一連の閣僚人事指名を見て気づくのは、トランプ氏は「有言実行」だということだ。

 主流メディア(トランプ政権誕生で、これまでの主流をそのまま主流メディアと呼ぶことには語弊があるかもしれないが)の「トランプ氏はいくら口ではそうは言っても世間の常識から考えてそこまではしないだろう」という予測を見事に覆している。

 だとすれば、これまで公言してきた報復措置に踏み切るのは必至だ。