トランプ氏から国家情報長官に任命されたテルシ・ギャバード氏(10月27日撮影、写真:AP/アフロ)

バイデン、トランプの2時間会談の中身

 ドナルド・トランプ次期米大統領(78)は11月13日、大統領選に勝利後初めて首都ワシントンを訪れた。

 4年ぶりに訪れたホワイトハウスで「レイム・ダック」のジョー・バイデン大統領(81)と会談。

「ドナルド、おめでとう」

「円滑な政権移行に感謝するよ、ジョー」

 互いをファーストネームで呼び、カメラの前ではにこやかに握手。

 会談後の報道官の説明だと、ウクライナ情勢、イスラエル・ハマス戦争など内外情勢を巡り2時間にわたって意見を交わしたというが、それだけではないだろう。

 昨日まで敵味方に分かれて罵り合った仲だ。怒鳴り合い、罵り合いもあったはずだ。

 ところで、トランプ氏はワシントン凱旋に際して、政官界が愕然とするような「お土産」を持参した。

 トランプ周辺が「第2期政権で最も重要な人事」と言い切った司法長官、米国家情報長官の指名をSNSで発表したのである。

 司法長官はマット・ゲーツ下院議員(フロリダ州選出=42)、国家情報長官はテルシ・ギャバード元上院議員(ハワイ州選出=43、元民主党)を指名した。

 2人とも主流メディアからはネガティブな評価を受けてきた政治家だが、トランプ氏に対する忠誠心はAクラスだ。

 ゲーツ氏は下院でも一二を争う超保守派。

 トランプ氏に対する弾劾審議ではまさに身を挺して同氏を守り、トランプ氏の指示を受けて(?)同氏のお眼鏡にかなわぬ下院の現職議長を引き摺り下ろし、15回という異例の投票劇の音頭をとった。

 私生活では、17歳の少女を買春した容疑で逮捕されたが、検察当局は証拠不十分で起訴しなかった。

 一方、下院倫理委員会は同容疑の究明を続けている。

下院倫理委員会は下院では唯一超党派主義が貫かれている委員会で、メンバーもそうした判断に則り中立的議員が選ばれている)

 司法長官内定を受けて下院倫理理員会は、人事承認是非を審議する上院司法委員会に容疑究明調査記録を提出するかどうかを決めるとしている。

(前述した通り、下院倫理員会は超党派的判断に立って記録を提出することになる可能性大で、上院司法委員会での人事承認はすんなりとはいきそうにない)

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