2024年11月3日、全日本大学駅伝、1位でゴールする國學院大・上原琉翔 写真/日刊スポーツ/アフロ

(スポーツライター:酒井 政人)

前日会見から自信に満ちていた前田監督

 11月3日に開催された全日本大学駅伝。初優勝を遂げることになる國學院大の前田康弘監督は前日会見から自信に満ちていた。登録選手の10000m上位8人平均タイムはトップ(28分16秒60)。前回3位のメンバー7人が残るチームのエントリー登録は以下の通りだった。

1区嘉数純平(3年)、2区青木瑠郁(3年)、3区辻原輝(2年)、4区鎌田匠馬(3年)、5区野中恒亨(2年)、6区山本歩夢(4年)、7区田中愛睦(2年)、8区岡村享一(1年) 補員/平林清澄(4年)、 上原琉翔(3年)、高山豪起(3年)、後村光星(2年)、飯國新太(1年)

 そして前田監督はレース前日の記者会見でこんなことを話していた。

「明日は問題なければ3枚替えをする予定です。他校のオーダーも予想しながら、平林をどっちに置くかを考えました。前半の流れ、締めの7、8区は最重要ポイントだと思うんですが、出雲は4区と5区で区間賞を取って流れを引き寄せた。つなぎ区間でしっかり勝負できる選手を置けるのがストロングポイントかなと捉えています。前半は流れにしっかり乗って、後半の5~8区が勝負所になってくる。バランスよく隙のないオーダーを組むことができました」

 前田監督はマラソン学生記録保持者の平林清澄(4年)を7区か8区のどちらに起用するか悩んでいたが、当日変更で絶対エースを4年連続となる7区に投入。一方、8区を予定していた高山豪起(3年)を4区に入れて、最長区間には上原琉翔(3年)を起用した。

「高山がいまいち良くなかった」という理由もあったが、気温が高くなる予報もあり、沖縄出身で暑さに強い上原なら“アンカー勝負”になっても対応できると考えたのだ。

 そしてレースは前田監督の読み通りになった。