2023年11月5日、全日本大学駅伝8区、1位でゴールテープを切る駒大・山川拓馬 写真/日刊スポーツ/アフロ

(スポーツライター:酒井 政人)

V候補の一番手は出雲を制した國學院大

 11月3日、伊勢路を舞台に開催される全日本大学駅伝。その「メンバーエントリー」が11月1日に発表された。当日変更で区間登録選手と補員登録選手を3人まで交代できるが、各校の戦略が見えてきた。

 今大会は出雲駅伝で終盤まで激しく競り合った國學院大、駒大、青学大が“3強”という声が強い。各校は勝つためにどのようなストーリーを描いているのか。当日のオーダーを予想しながら、勝負のポイントを探っていきたい。

 まずは出雲に続いて2冠目を目指す國學院大だ。

1区嘉数純平(3年)、2区青木瑠郁(3年)、3区辻原輝(2年)、4区鎌田匠馬(3年)、5区野中恒亨(2年)、6区山本歩夢(4年)、7区田中愛睦(2年)、8区岡村享一(1年) 補員/平林清澄(4年)、 上原琉翔(3年)、高山豪起(3年)、後村光星(2年)、飯國新太(1年)

 全日本は登録選手の10000m上位8人平均タイムでトップ(28分16秒60)。前回3位のメンバー7人が残っている。

 注目はマラソン学生記録保持者の平林清澄(4年)が入る区間だ。全日本では3年連続で7区を担い、前回は区間賞を獲得している。8区の起用も考えられるが、確実に勝負するなら7区に入れるだろう。

2024年10月14日、出雲駅伝で優勝し、仲間に胴上げされる國學院大のアンカー、平林清澄 写真/日刊スポーツ/アフロ

 もうひとつのロング区間は上原琉翔(3年)と高山豪起(3年)が候補。他区間では前回1区6位の後村光星(2年)を起用する可能性もありそうだ。

 主将・平林は駒大・篠原倖太朗(4年)と青学大・太田蒼生(4年)に36秒差をつけた出雲6区の走りが強烈だった。7区出走なら40~50秒以上のリードを確保できれば初優勝が見えてくる。8区の場合は30~40秒差なら逆転が十分可能だ。いずれにしても“絶対エース”で勝利を決定づけたい。