
韓国の憲法裁判所が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する罷免を決定した。
4月4日、韓国憲法裁判所は尹大統領の非常戒厳宣言は「重大な憲法違反」として、国会で通過した弾劾訴追案を「認容」し、大統領の罷免を決定した。尹大統領は、国会で弾劾案が可決され職務停止されてから111日後に大統領職を正式に罷免されたことになる。新しい大統領を選ぶ選挙は、6月3日に実施される。
憲法裁判官、罷免に全員一致で賛同
憲法裁はまず「尹大統領の非常戒厳令宣布当時の政治状況は国家の非常事態とは見られず、平常的な権力行使で対処が可能だった」と判断した。また、尹大統領が非常戒厳令宣布の重大理由の一つであると主張した不正選挙疑惑についても「妥当だと見ることはできない」と判断した。

国会に軍人を投入して政治家を引き出せと指示したという証人たちの主張を受け入れ、「国会の権限行使を妨害した」と判断、「布告令を通じて政治活動禁止を命じたことは重大な違憲行為」と見なした。そして尹大統領の非常戒厳令宣布行為は「憲法秩序を侵害し、民主共和政体制に深刻な危害を加えた」とし、尹大統領の罷免に憲法裁判官8人全員が同意したのだった。
これまで多くの憲法学者は弾劾審判過程での手続き的な問題を指摘しながら、「棄却」の可能性があることを示唆してきたが、おそらく憲法裁は韓国の安定と秩序を回復するためには尹大統領を罷免した方が良いという結論を下したのだろう。