「二度目の喜劇」と世界から笑われないために
もちろん歴史がまったく同じように繰り返すなどということはないだろう。それでも我々は歴史の教訓に学ぶことはできる。
あのときアメリカで何が起きたか、欧州で、イギリスであのときどうしておくべきだったのか。リベラル政治は、保守政治はどのような態度を取るべきだったのか。
アメリカでは思想や政治的主張以前の「『柔らかいガードレール』が失われた」という指摘も政治学者たちからなされている(スティーブン・レビツキー/ダニエル・ジブラット(2018)『民主主義の死に方』(新潮社))。日本におけるそれはなにか?
サンダースの鋭い批判は、日本の政治と関係してこないだろうか。
「二度目の喜劇」とばかりに世界から笑われないために、また我々の社会が直近の欧米で露呈したのと同じような失敗を繰り返すことのないように、そして「絶望死」の蔓延などという悲惨な事態に陥らないように、トランプ2.0の時代にこそ歴史を紐解き、意見の異なる他者と議論できる理性と知性に磨きをかけたいものである。
むろん「言うは易く行うは難し」であろう。「それでも、なお」とばかりにごり押しするのがロマンというものだ。