北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返している。9月にも、12日、18日と実施している。

 今年9月9日の北朝鮮建国76周年日には、祝賀行事が行われたが、金正恩は出席せず、軍事パレードも実施されなかった。しかし、10日の朝鮮中央通信は、演説で、金正恩が「我々は責任ある核保有国」であり、「核戦力を絶えず強化し、全ての武力を完全な戦闘準備態勢に置くための対策と努力を倍加する」と述べたと報じている。

 また、9月13日には、金正恩がウラン濃縮施設を視察する様子を初めて公開した。北朝鮮の核開発能力を内外に誇示する狙いである。

ロシアとの軍事協力強化

 昨年の建国75年の記念日には、金正恩が娘と共に出席し、軍事パレードが行われた。演説はしなかったが、劉国中副主席に率いられる中国代表団やロシアの軍楽団も招かれ、日米韓による包囲網に対抗して、中露朝の結束を誇示した。

昨年9月13日、ロシアを訪問し、プーチン大統領と共にボストーチヌイ宇宙基地を視察した金正恩総書記(写真:ロイター/アフロ)
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 昨年の9月10日から13日まで、ウラジオストクでロシア主催の東方経済フォーラムが開かれ、プーチンも参加した。金正恩は、9月13日、アムール州ボストーチヌイにある宇宙基地を訪ね、プーチン大統領と首脳会談を行ったが、その会談の前に、両首脳は基地を視察した。

 ウクライナ戦争を遂行するために、プーチンは、金正恩に対して弾薬や軍事物資を提供するように要請した。金正恩のほうは、見返りに、食料支援や原子力潜水艦、ミサイルなどの新兵器開発のための技術支援を求めた。