2023年7月28日、朝鮮戦争休戦70周年の軍事パレードにロシアのセルゲイ・ショイグ国防相と中国の李鴻忠・中国共産党政治局員を招いた北朝鮮の金正恩総書記(提供:KCNA/UPI/アフロ)

 朝鮮中央通信(2024年3月14日)によれば、「北朝鮮は、朝鮮軍戦車兵大連合部隊の実戦能力や異なる戦術的任務に応じた戦闘行動の検閲を行った」という。

 それは、戦車部隊間の対抗競技でもあった。

 これを視察した金正恩総書記は「今日の戦車兵たちの準備練度を一番満足に思う。戦争準備については安心することができる」と大満足の意を表した。

 また、金正恩総書記は検閲の後、自ら新型主力戦車を運転しながら、戦車兵達の士気を高揚させたという。

 北朝鮮が公表する演習の写真を見た全体の印象は、金正恩に見せるための展示訓練であり、日米韓国にも見せたかったのだろうというものだ。

 これらが実践的というのであれば、軍事専門家から見ると疑問が多くあり、笑える部分も多々あった。

 最近の北朝鮮軍通常戦力による演習を見ると、大規模や実践的という表現で演習を誇張することが多い。

 今回の演習画像について、朝鮮中央通信の説明記事や写真を見ると、大連合部隊、実戦的訓練、新型主力戦車、金正恩氏による戦車の操縦などは、本当なのかと疑問が生じてしまう。

 北朝鮮が主張することを北朝鮮公開の写真の実態を分析し、

①登場した2種類の新型戦車戦力の実態、
②たったの14両で戦車兵大連合なのか、
③新型戦車は張りぼてではなく戦える、
④実践的な訓練というが実は笑える、
⑤新型戦車戦力を誇張して見せる理由
の順で考察する。