金正恩の指示に基づいて、10月7〜8日の最高人民会議(国会)は憲法を改正し、「統一」という文言を削除し、韓国を「不変の主敵」と位置づけた。

 今回の南北連結道路や鉄道の爆破は、この憲法改正を反映させる内容である。

 この爆破を17日に報じた北朝鮮の朝鮮中央通信は、「これは大韓民国を徹底した敵対国家として定めた共和国憲法の要求と敵対勢力の厳重な政治・軍事的挑発の策動によって予測不能な戦争接境へと突き進んでいる深刻な安全保障環境から出発した必然的かつ合法的な措置」と記した。

 改正憲法で領土についての記述がどうなったかは不明であるが、全朝鮮半島を北朝鮮の領土と称していたのを止め、北半分のみを領土とし、南北境界線を「国境」と称する方向のようである。

南北の緊張激化

 北朝鮮は、今月になって韓国が平壌上空に無人機を飛ばしてビラをまいたと主張した。16日の朝鮮中央通信によると、韓国の無人機による「領空侵犯」を受けて、140万人の若者が軍への入隊を志願したという。このような行為が繰り返されたら報復措置をとると抗議した。

平壌上空に飛来したドローンがビラを撒いたとして、韓国を徹底的に批判した金与正氏(写真:AP/アフロ )
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 韓国軍は無人機を使用してビラをまいたことはないと否定したが、脱北者団体などがそのような行動をとった可能性はある。

 北朝鮮は、韓国が国境近くから北朝鮮に向けて強力な拡声器で宣伝放送を行っていることにも神経を尖らせており、北朝鮮も対抗して、10日には韓国に「騒音放送」を流している。

 10月7日には、金正恩が国防総合大学を訪ね、韓国の尹錫悦大統領を呼び捨てにし、「浅はかで下品な妄言を吐く」と揶揄した。そして、韓国が攻撃するなら核兵器の使用も辞さないと警告した。