次回予告で彰子が泣き叫んでいるワケ

 次回の放送では、彰子が道長に「どこまで私を軽んじておいでなのですか?」と泣いて訴えるシーンが流れた。道長が第1皇子の敦康親王を差し置いて、自分の孫である敦成親王に皇位を継がせようとしていることを、彰子が知ったためのリアクションだろう。

 彰子からすれば、自分の息子が皇太子になるのだから、道長と同様に喜びそうなものだ。だが、藤原行成が記した日記『権記』では、父・道長のことを「怨み奉られた」と書かれている。敦康親王があまりにふびんで、彰子は父を恨んだという。

 敦康親王に同情する彰子の優しい性格がよく表れているが、『光る君へ』では、入内したばかりの頃の彰子の孤独感もしっかり描かれている。それがゆえに、幼い敦康親王をわが子のようにかわいがることで、彰子自身がいかに精神を保ってきたかがよく伝わってくる。

 敦康親王をないがしろにしたばかりに、娘の彰子から激しい感情をぶつけられた道長。果たして彰子にどんな対応をするのだろうか。次回の注目ポイントのひとつである。