米国、中国、日本の実態比較

 ロジック半導体のファブレス、ファウンドリー、OSATについて、米国、中国、日本の実態を○△×で評価してみた(図6)。

図6 米国、中国、日本の実態とベトナムの目標
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 まず米国についてであるが、エヌビディア、AMD、クアルコム、ブロードコムなどのトップ企業を擁するファブレスは○、TSMCをアリゾナに誘致したファウンドリーは△(立ち上げが遅延している上、Intelは苦戦中)、OSATは△とした。その根拠は、売上高世界2位のアムコー(Amkor)の本社が米国にあるがそれほど強力ではないからだ。

 次に中国は、2022年に2800社を超えたファブレスは○、SMICが2023年に7nmの開発に成功したファウンドリーは△(米国による輸出規制により苦戦)、多数の工場が存在するOSATは○とした。

 では、日本はどうだろう。5社あるかどうかのファブレスは×、TSMCを熊本に誘致したファウンドリーは△(作るものがあるか分からない上、持続可能性に疑問がある)、そしてOSATは×となる。

 要するに、日本には○をつけられる分野が一つもないのである。その上、ファブレスとOSATが非常に貧弱で、この分野の強化が必要不可欠であるが、そのような政策が立案される気配もない。

 このような、歪な日本に対して、半導体の新興国の一つのベトナムが非常にバランスの取れた政策を掲げており、これは大いに参考になると思った。以下に紹介する。