イランは十分な予告を行い、迎撃を行う時間を与えた

 イスラエルの指導者は“蛇の首をハネる絶好の機会”が訪れたという誘惑に駆られている。米国とイスラエルという圧倒的な敵を前にイランは「戦略的忍耐」に徹してきた。最終的にイスラエルを排除するため「抵抗の枢軸」を構築したが、それだって実際はイランの国土と体制を守るための防波堤だった。

 しかし同紙によると、テヘランの強硬派は「10・7」テロの首謀者と目されるハマス指導者ヤヒヤ・シンワルを「シオニストのスパイ」と非難している。4月と10月の一斉攻撃も十分な予告を行い、イスラエルと同盟国の米英両国に迎撃を行う時間を与えた。

 ジョー・バイデン米大統領はイスラエルによるイランの核施設への攻撃を支持しないと述べる一方で、イランの石油インフラへの攻撃の可能性について協議中だと述べた。一時は1バレル=70ドル近くまで下がっていたブレント原油は80ドルを突破した。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(10月4日付)は「イスラエルは単独でイランの核施設を破壊できるのか。米国の支援なしではイスラエル空軍が作戦を成功させるのは難しい。せいぜい核開発計画を遅らせるだけで破壊することはできないだろう」とのアナリストの見方を伝えている。