(牧野 知弘:オラガ総研代表、不動産事業プロデューサー)
首都圏の高齢者数は20年で1.89倍
日本が少子高齢化社会と言われるようになってから久しい。高齢者人口は確かに近年激増傾向にある。2020年の国勢調査によれば、65歳以上の高齢者人口は3602万人。総人口1億2614万人に占める割合は28.6%に達している。
国立社会問題・人口問題研究所の推計によれば、2030年には高齢者人口は3696万人。高齢化比率は30.7%になる。この数値はおおよそ2040年頃にはピークが来ると言われ、高齢者数は3928万人と4000万人に迫り、高齢化率は34.8%にまで膨らむという。
首都圏には現在どのくらいの高齢者が在住しているかと言えば、2020年でその数は905万人。このうち約半数にあたる480万人が75歳以上の後期高齢者である。
注目されるのは首都圏の高齢者数が近年激増していることだ。2000年には480万人だったのが、20年間でその数は1.89倍になっている。同期間の首都圏人口は東京都が16.5%の増加だが、首都圏全体では10%程度の増加に過ぎないので、いかに高齢化が進んでいるかがわかる。