(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)
9月23日、立憲民主党の代表選挙が行われ野田佳彦元首相が選ばれた。27日には自民党の総裁選挙が行われ石破茂元幹事長が選ばれた。今後、好敵手として丁々発止の論戦を繰り広げてほしいと願う。
野田氏の勝因はどこにあったか
野田氏自身が勝因について、「コアな立憲支持者だけでなく、もう少し幅広く無党派、本来は自民党支持の人たちに届くメッセージを出せる可能性に期待した人もいるのではないか」と語っている。これまで野田氏は立憲民主党について「リベラルな方向と仲良くやりすぎているイメージがある」とも指摘してきた。
立憲民主党はもともと寄り合い所帯の傾向が強かった。2017年9月、衆議院選挙を前に東京都知事だった小池百合子氏が希望の党を立ち上げ、当時野党に転落した民主党が作った民進党の大半が合流すると思われていたが、安保法制などに反対する民進党議員を「排除します」と小池氏が語ったことから、枝野幸男氏らが中心になって立憲民主党を結成した。
野田氏や岡田克也氏らは当初は立憲民主党に参加しなかったが、その後合流することになった。代表だった枝野氏は、自らを「リベラルであり、保守である」と語っているが、立憲民主党自身もそういう傾向があったことは間違いない。