異例の凶作だった1993年産

<過去の価格高騰は凶作が背景だが…>
 過去と現在ともに、価格高騰は需給逼迫で在庫水準が切り下がったことによりもたらされているが、需給逼迫に至った背景は異なる。1994年の「平成の米騒動」、そして2004年における価格高騰は、前年の1993年産、2003年産がいずれも冷夏で凶作となった影響が大きい。

 作柄の良否を示す指標としては、農林水産省公表の作況指数が参考になる。

 作況指数は、10a(アール)当たりの平年収量を100とした、その年の実際の10a当たり収量のことである。

 平年収量とは、気象条件や病虫害などが平年並みになるものとみなした上で、水稲を作付けする前の段階で予想される収量を意味する。作況指数が106以上なら「良」、102~105なら「やや良」、99~101なら「平年並み」、95~98なら「やや不良」、91~94なら「不良」、90以下なら「著しい不良」に位置づけられる。

 価格が高騰した1993年産の作況指数は、平年100に対して74であった。2003年産の作況指数は90だ。いずれも「著しい不良」、いわゆる凶作を示す低水準となった。

 全国の収穫量をみても、1993年産は781万トンとなり、1992年産の1055万トンから274万トン減少、率にして▲25.9%の大幅減少であった。2003年産は778万トンとなり、2002年産の888万トンから110万トン減少、率にして▲12.4%の減少である。凶作の影響は、在庫が縮小する翌年春頃に顕在化し、価格高騰につながった。


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