前年比で92万トン減少していた米の在庫

<在庫水準が切り下がり、価格高騰につながる>
 過去そして現在の価格高騰は、当然といえば当然であるが、需給逼迫で在庫水準が切り下がったことによりもたらされている。

 民間流通と政府備蓄を合わせた在庫水準は、2004年6月末に273万トンとなり、2003年6月末の365万トンから大きく切り下がった。前年差では92万トンの大幅減少である。直近の在庫水準を確認すると、2022年6月末に309万トンだった在庫は、2024年6月末に247万トンと2000年代半ばを下回る水準まで切り下がっている。2年間で62万トン減り、「令和の米騒動」につながった。

「平成の米騒動」前後における民間流通と政府備蓄を合わせた在庫水準については、時系列のデータを得られない。ただ、「食料需給表」等を用いて簡易的に試算すると、1992~93年頃に250万トン前後あった在庫水準は、1994年に100万トン前後まで急速に切り下がったとみられる。当時、在庫を取り崩しても供給不足が解消されず、政府はタイ米などの緊急輸入に踏み切った。


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