「女性枠」への賛否は8対7で拮抗

(B)京大では、2026年度入試から一部で女性枠が導入されます。この制度に、あなたは賛成ですか、反対ですか(中立的な意見をもっている場合でも、あえてどちらかの立場に立ってください)。その理由を書き出してください。

岡邊:じゃあ、Bのほうにいきます。京大の特色入試、女性枠。来年の秋には、募集が始まります。賛否が分かれたようですね。


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ゆうだい:僕は賛成です。周りの「理工系に女子が進む選択肢はない」って考えてる人たちと接してると、おのずと志望しようという考えが出てこないんで。

 あとは「理工系に女性も入れる」っていうロールモデルを示せることが、この制度を設けることでできるんじゃないかなと思ってて。一般入試でも理工系の学部に進学したいと思ってくれる女子が増えるってことが、ほんとのゴールだと僕は思ってて。それは京大としてもいいし、社会の風潮を変える意味でも、いいんじゃないか。 

「理工系女性のロールモデルに」。まず賛成意見が出た「理工系女性のロールモデルに」。まず賛成意見が出た
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しゅんすけ:僕はちょっと違う観点からの賛成ですけど、大学が研究機関として健全な役割を果たすためには、今の9対1とかに偏ってる男女比っていうのは、是正するべきかと。割と男女で思考が違うっていうのは、科学的にも根拠があることなので、男女比が著しく偏ってると、研究の多様性が失われてしまうと危惧してるので。

岡邊:賛成、何人ですかね? 8人ね。では、反対は? 7人か。分かれましたね。では、反対の意見を聞きましょう。

都会に娘を出したがらない親に、新制度は響くか?

こうき:なんで女子が少ないのかって考えた時に、そもそも、受験する段階で絶対的に少ないんです。だから、そこを是正するためには、女子枠を大学で作るっていうより、高校でもうちょっと、理系の女子を増やす取り組みをしたほうが、僕はいいと思うので、反対です。

岡邊:「これがまずい」っていうの、ひとつ挙げるとすれば、どうですか? 

こうき:女子枠って、ぶっちゃけ言っちゃうと、一般入試で受かんないから「入れてあげます」って感が出ちゃうような・・・。

そうた:そもそも女子が地方から集まりにくい。例えば、地方の親ほどそうだと思うんですけど、女の子に実家から出てほしくない、なんでっていったら、心配だからなわけで。枠が足りないからとか、受からないかもしれないからじゃない。なのに、枠を増やして「女性でも学問ができます」って言ったところで、反対してる親には響かないんじゃないか。

岡邊:賛成側のゆうだいさんは、このような親に、新制度は響くと思う?

ゆうだい:地方の話は、ロールモデルも関係してると思ってて、そういう人が他にいないから、あなたも「地方にとどまりなさい」と思うんで。

 まずは選択肢だけでも増やしておかないと、「そんなこと、できないんだからやめなさい」という意識が続く。こういう制度があることで「チャレンジしてみなさい」となる。考えるきっかけには、なるんじゃないかなと思います。