- ホンダが6月に発売したコンパクトサイズのミニバン、新型「FREED(フリード)」で約300km試乗した。
- 「AIR」や「CROSSTAR」など多様なグレードを乗り比べて実感したのは、街中や郊外、山間部などどんなシーンでも「ちょうどいい」価値だ。
- ただ、日常使いのミニバンでは、100万円ほど安いホンダの「N-BOX」もある。フリードならではの乗り心地とは。
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
「もう少しじっくり乗りたい」
7月中旬に横浜市内で実施された、ホンダ新型「FREED(フリード)」の報道陣向け試乗会に参加して、そんな感想を持った。フリードは、コンパクトサイズのミニバンである。
なぜならば、ホンダがいう開発コンセプト「毎日の生活の中で、ちょうどいい」を日常生活の中でじっくり検証してみたいという思いがあったからだ。
そこで別途の機会として、ホンダ本社に依頼して新型フリードを3日間借り出し、東京・神奈川・千葉などの都心部、周辺住宅地、郊外部などを約300km走行してみた。
フリードは今回のフルモデルチェンジで3代目となる。グローバルでのカテゴリーとしては、東南アジアで需要が多いMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)に属する。
歴代モデルはインドネシアなどでも販売されたが、新型モデルは「ほぼ日本市場向け」だ。一部、香港やシンガポール向けにも販売される。
新型フリードのグレードは大きく分けると、3列シートがベースとなる「AIR(エア)」と、アウトドアなどのアクティブなイメージを重視した2列シートがメインの「CROSSTAR (クロスター)」の2つある。
また、「CROSSSTAR」にはリアハッチを開けた状態で床と道路面をつなぐスロープを設けた「スロープ」グレードがあり、車椅子の乗降用だけではなく、小型の各種乗り物や機器の積み下ろしをサポートする仕様を設定した。
エンジンは1.5Lガソリンと、1.5Lのハイブリッド車「e:HEV」の2種類。駆動方式は、FFと後輪をモーター駆動する4WD(四輪駆動車)となる。
このように新型フリードには多様なグレードがあるため、横浜での試乗会では、最初に「CROSSTAR スロープ」後席に載せたクルマ椅子に座った状態での市街地試乗、続いて「CROSSTAR」FFのガソリン車、そして「AIR」4WDのハイブリッド車の3グレードを比較するにとどまった。
そこでの感想はどうだったか?