土俵際の斎藤知事
兵庫県庁が大揺れだ。
斎藤元彦知事(46)の「パワハラ疑惑」を告発していた県の元西播磨県民局長(60)が7月7日に自死したことを受け、県職員労働組合が10日、片山安孝副知事へ斎藤知事の辞職を求める申し入れを行った。
同日の定例記者会見で斎藤知事は「私自身が生まれ変わってよりよい県政を進めていくために職員のみなさんとの信頼関係を再構築していくことをやるべき。それが私の大きな責任」と述べて辞職を否定したが、日に日に知事に対する県民の批判の声は高まっている。
土俵際に追い詰められた知事サイドに、この状況を打開する術もない。
「このような事態になったのは知事の責任が大きい。官僚出身で、知事になったことで殿様にでもなった気持ちになり、誰もが自分の言うことを聞くと思ってしまったのか、職員に対するパワハラ行為や、直ぐに怒鳴る、気が短いという気質がこの泥沼を生みました。
百条委員会も設置されましたから、今後、知事のパワハラなどの実態がさらに明らかになる可能性が高い。それだけに斎藤知事にはいったん辞職して再選を目指すか、議会を解散するしか方法が残されていないように見えますが、議会を解散しても、今の状況では知事に味方する議員が増えるとは到底思えませんので、腹を括ることはできないでしょう。ここは自分が蒔いたタネだと深く反省して潔く辞職をするほうがいいと思うんですが」(大手紙・県政担当デスク)
ただ、斎藤知事にも、そして彼を支援する人々にも、簡単に知事の椅子を放り出せない事情がある。まずは斎藤知事誕生の経緯から振り返ってみよう。