おわりに

 ウクライナ軍関係者は、ロシア軍が今夏、ポクロウスク、チャシフ・ヤール、ハルキウ 方面を重視して攻撃する可能性が高いと予想している。

 現在、最も激しい戦闘が行われているのはポクロウスク方面で、ロシア軍7万人が攻撃している。

 また、チャシウ・ヤールの占領も、ロシアにとって今夏の重要な目標であり、これを奪取するとクラマトルスクとスラビャンスクというドネツク州の重要都市に到達可能となる。

 まさに、この夏のロシア軍の攻勢にウクライナ軍が防御できるか否かが焦点になっている。

図4:東部戦線の要衝

出典:scribblemapsを筆者が加筆

 米国等の西側諸国の支援により、ウクライナ軍はロシアの攻勢に対して2024年中は持ちこたえることができるだろう。

 これは、要塞が建設され(現在進行中)、ウクライナに資金と弾薬の提供が継続し、人員確保が継続的にできることを前提としている。 

 ウクライナが持ちこたえることができれば、この戦争におけるロシアの優位性が決定的なものになるわけではない。むしろ時間の経過とともにロシアの優位性が低下していく可能性がある。

 問題は、2024年11月の米大統領選挙だ。

 もしも、ドナルド・トランプ氏が大統領になるとウクライナへの支援はなくなる可能性がある。

 ウクライナとしては今年中にある程度の戦果を上げておかないと、2025年以降も厳しい状況が継続する可能性が高いであろう。