宇宙空間に近い超高高度を飛行する米国の偵察機「Squadron U-2」(6月3日撮影、米空軍のサイトより)

 米ワシントン・ポスト紙によると、米軍は中国による台湾侵略を阻止するために「ヘルスケープ(Hellscape、地獄図)」構想を準備している。

 地獄図とは、何ともおどろおどろしい名称を付けたものだ。

 これは、中国人民解放軍(=解放軍)が台湾を攻撃しようとすると、台湾海峡の通過時に米軍の大量の無人機システム等による攻撃により大規模な戦力の損耗と時間の損失という地獄を味わうことになるということだ。

 米軍のヘルスケープ構想には2つのキーワードがある。

「全領域消耗自律(ADA2:All-Domain Attritable Autonomous)システム」と「レプリケーター(Replicator)プログラム」だ。

 ヘルスケープ構想を実現するための大量の自律型無人機システムを「全領域消耗自律(ADA2:All-Domain Attritable Autonomous)」システムと名付けている。

 ADA2システムは、陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波などの領域において活動し、自爆型兵器として運用可能で、人工知能(AI)を使い自律的に自らの判断により活動できるシステムだ。

 このADA2システムによる飽和攻撃で、特に解放軍の艦艇に壊滅的な打撃を与えようとしている。

 大量のADA2システムを開発・製造・取得するプログラムが「レプリケーター・プログラム」だ。

 実は、ヘルスケープ構想はウクライナ軍のドローン革命を参考にしていることを強調したい。