●ロシア軍のハルキウ正面の攻撃はブーメランになった

 ハルキウ正面の攻撃は、思わぬブーメランになってロシア領内に対するクライナ軍の攻撃を惹起させてしまった。

 その背景はこうだ。

 ロシア軍のハルキウ攻撃に際して、ウクライナ軍はロシア領内に対する砲撃を実施できなかった。なぜなら、ウクライナに提供した米国製兵器のロシア領内の目標に対する使用をバイデン政権が禁止していたからだ。

 その禁止を一部緩和した。つまり、ハルキウ正面に限定して、高機動ロケットシステム(HIMARS)と多連装ロケットシステム(MLRS)から発射する射程80キロの砲弾やロケットに限定してロシア領内の目標に対する使用を許可したのだ。

 この射程80キロ以内の砲弾等の使用が効果を発揮して、ロシア領ベルゴロド等における軍事施設等(弾薬集積所などの兵站施設や軍事基地)に損害が出ている。

 これはロシア軍のハルキウ攻撃が、ブーメラン効果を発揮して米国の一歩踏み込んだ決断を促したことになる。

 つまり、ロシア軍のハルキウ攻撃は藪蛇だったのだ。

 なお、現在、バイデン政権は米国製兵器の射程100キロまでの目標への攻撃を許可した。しかし、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)の使用は禁止したままだ。