フードデリバリーの配達員はスポットワーカー?
スポットワークと似た言葉の働き方として「ギグワーク」と呼ばれるものがあります。スキマ時間に短時間働くという意味では同じですが、雇用契約の有無が大きな違いです。
ギグワークは一般的に、企業に属さず雇用契約を結ばないで業務委託で働く働き方を指します。「ギグ」はもともとは音楽業界で使われていた言葉で、それぞれ得意の楽器を演奏するミュージシャンが集まり、即興で演奏するスタイルを意味しています。それが、単発で仕事を請け負う働き方も意味するようになりました。
フードデリバリーの配達員が代表例です。配達員は個人事業主として、アプリに登録している飲食店から配達業務を委託しています。業務委託は企業と雇用契約を結んでいないため、企業の指揮命令を受ける立場になく、仕事の進め方など裁量権の大きいのが特徴です。
一方、スポットワークも単発で仕事をするという意味では似ていますが、就業先と雇用契約を結びます。そのためスポットワークは「雇用型ギグワーク」とも呼ばれ、労働基準法で保護されます。労災の給付を受けられ、最低賃金も保障されています。雇用契約を結ぶため、就業先企業の指揮命令に従う必要があり、仕事の進め方や働く場所などが決められています。