性交後の射精不応期について

 若いうちは射精をした後も、短時間で体力は回復するものである。

 だが、中高年男性になれば陰茎の勢いが回復しないため、かつてのように3回戦や5回戦とはいかず、射精の回数が減少から肉体的な衰えを実感することもあるだろう。

 射精の後、勃起回復に要する時間を賢者タイムという。

 爆発しそうだった性欲が霧散して、悟りを開いたような心が落ち着いた状態になることが、その語義のようだ。

 賢者タイムは医学的には、性交後憂鬱や射精不応期と呼ばれる。

 それは性欲が段々と下降するのではなく、射精を機に瞬時に性欲が消失するのが特徴で、下垂体ホルモンのプロラクチンがその要因とされる。

 男性は射精後、プロラクチンが体内で大量に分泌され、このプロラクチンが性的興奮や欲求を一気に下げる。こうした過程はなぜ生じるのか。

 動物は交尾の最中、無防備となる。

 そのため天敵からの攻撃に備える必要性から、射精後、精神状態を通常モードに戻すためとの説がある。

 賢者タイムからの回復には年齢差や個人差があり、5~10分で回復する若者もいる一方で、中高年となれば性的刺激を与えても興奮しにくく、半日から1日くらいそうした状態が継続するなど、加齢とともに賢者タイムが長くなる傾向がある。