勃起不全の要因である男性ホルモンの減少

 私たちは様々な性に関する不安や悩みを抱えている。しかし、そうしたことは人に相談するのは気が引けるものである。

 特に満足な性行為を行うための十分な勃起が得られない、またはエレクトした状態を維持できない状態が持続、もしくは頻発するといった事象により、女性の欲求を満たすことができなければ、男性としての自信喪失や劣弱意識に苛まれることになる。

 だが、そこで自身の勃起障害を認めたり、パートナーと話し合ったりするのは憂鬱なことだ。

 そこでもし男性が女性とのセックスを避けるようになれば、夫婦やカップルの親密度が下がり、その関係性に摩擦が生じかねない。

 性欲の減退、性的興奮の低下、朝勃ちの減少などの症状が出る要因として、男性ホルモンの減少が挙げられる。

 男性には男性ホルモン、女性には女性ホルモンが分泌されるのだが、それは刺激を受けることで、その分泌が促進される。

 セックスなどの性愛行為の刺激により、ホルモンの分泌が活発となればなるほど、男性的魅力、あるいは女性的魅力が上昇する。

 もし、性行為のない生活の中で性的な刺激が全くない状況が続けば、ホルモンの分泌量が減少し、射精はおろか勃起もしなくなる可能性がある。

 男性ホルモンの代表格にテストステロンがある。

 男子が思春期になると声変わりや髭が生えてくるのは、それが大量分泌されるためである。

 テストステロンは、精子の正常な発育に必要な物質で遺伝子を活性化させる精巣や、前立腺などの男性生殖組織の発達に重要な役割を果たす。

 同時に、筋肉質な体型やしっかりした骨格などを構成する性ホルモンである。

 それは異性を惹きつけるフェロモンを発生させ、性欲や性衝動、骨盤神経に働きかけ勃起を促す。

 年齢的には10代から20代をピークに、30歳頃からテストステロンは減少し始める。

 20代から40代でテストステロンが低い場合は、2型糖尿病、メタボリック症候群のリスクが増大する。

 また、中高年となりテストステロンが急激に減少すれば、男性更年期障害を起こすこともある。

 一方、性的活動が活発な男性はテストステロンのレベルが高い傾向があり、70代になっても、30代の平均値に匹敵する値を維持している人も存在する。