不倫していた元夫、週刊誌沙汰になったのを元妻のせいにして慰謝料請求

 実は、本件については、遊佐被告が逮捕される9カ月前、すでに『週刊文春』と『文春オンライン』が以下の記事で報じていました。

【参考記事】〈証拠文書入手〉茨城県 民間人採用の次期校長が“偽造離婚届”を提出していた 家裁は無効と認定 ( 文春オンライン:2023年5月18日)

 ところが、これらの記事が出た直後、遊佐被告はあろうことか、元妻のA子さんが文春に記事化を持ち掛けたと邪推し、「この記事によって副校長の職を失いかねず、精神的苦痛を受けた」として、弁護士を通して500万円の慰謝料支払いをA子さんに要求していたのです。その書面には、自身が有責配偶者の立場で偽造離婚届を提出したことについては、一切触れられてはいませんでした。A子さんはどれほどのショックを受け、傷ついたことでしょうか。

【参考記事】《離婚届偽造で逮捕》茨城県副校長が「週刊文春」記事発売翌日に元妻に慰謝料500万円要求文書 元妻は「憤りと悲しみを覚えました」(文春オンライン:2024年2月9日)

 公判の最後、検察官は今回の遊佐被告の犯行について、「巧妙で悪質」「身勝手極まりない」「規範意識が著しく鈍麻している」「再犯の可能性は否定できない」などと厳しい言葉を羅列し、懲役1年6月を求刑しました(偽造有印私文書行使罪の法定刑は3カ月以上5年以下の懲役)。

 一方、弁護側は、「身から出た錆ではありますが……」と弁解しながらも、「被告本人が罪を認め深く反省している」として執行猶予を求め、即日結審しました。

 判決は5月8日13時半から、東京地裁で言い渡されます。裁判官の判断に注目したいと思います。