東大院卒、バリバリのエリートが犯した過ち
「有印私文書偽造・同行使」等の罪に問われているのは、茨城県立つくばサイエンス高校の元副校長・遊佐精一被告(53)。検察側が読み上げた起訴状や冒頭陳述などによると、遊佐被告は2022年1月、当時の妻の同意を得ぬまま勝手に署名し、離婚届を千代田区役所に提出。その行為が罪に当たるとして、今年2月に逮捕、3月に起訴されたのです。
この日、紺色のスーツに身を包んで法廷に立った遊佐被告は、「違うところはありません」と起訴内容を全面的に認めました。
遊佐被告は東京大学大学院修了後、アメリカやスイスの研究機関で研究員を務め、2018年9月には東大発の医療ベンチャー企業である「テラ」の代表取締役社長に就任。しかし、同社は金融商品取引法違反等の不祥事を起こし、証券取引等監視委員会の強制調査を受け経営破綻しました。
その後、茨城県の民間校長公募に応募し、受験者数1600人超に対して合格者4名(うち1名辞退)という狭き門を突破した遊佐被告は、2023年4月、つくばサイエンス高校の副校長に就任していました。
しかし、この時点ですでに有印私文書偽造・同行使の告発状は受理され、警察による捜査が進んでいました。