法務省によれば、協議離婚、つまり夫婦の話し合いによって離婚を成立させる場合、離婚の届出書に必要事項を記載し、本籍地、もしくは所在地の市役所、区役所、または町村役場に届ければ受理されるとのこと。その際、届け出に来た人物の本人確認のため、運転免許証やパスポートを持参する必要があるとのことです(ただし、判決・調停・審判・和解による裁判離婚の場合には、本人確認書類の持参は不要)。
離婚は人生を大きく左右する手続きです。こうした犯罪を防ぎ、これ以上被害者を生まないためにも、夫婦のどちらかひとりで離婚届を提出に来た場合は、最低限、もう一人の配偶者の意思確認をしてから受理するという手続きに変えられないものでしょうか。国にはぜひ見直しを考えていただきたいと思います。
反省の弁を述べるが…
今年2月に逮捕され、警察に勾留された遊佐被告は依願退職。2024年4月からはつくばサイエンス高校の校長に就任予定でしたが、現在は無職です。再婚した妻はまもなく2人目を出産予定ですが、妻も離婚届の捏造に関与していたことから、現在は接見を禁止されているといいます。
初公判の最後、弁護士から今回の犯行についてどう考えるかと問われた遊佐被告は、うつむきながらこう答えました。
「この1カ月の間にいろいろわかったこととして、就職ができない、賃貸物件を借りることすらできない。不動産屋には、これだけ実名報道されていたらどこも貸してくれないと言われました。法を犯すということが、いかに大変なことかを知りました。生きていけない。よいことはひとつもありません。今後は気をつけていきたい……」
そして、「(元妻と)話し合っておけばよかった。話し合うことは避けては通れない」と述べたうえで、
「元妻と子どもたちには申し訳ない。また千代田区役所の方々をだましたことも申し訳ないと思っています。以上です」
という言葉を口にしました。
しかし、検察官はその「謝罪」を安易には受け取らなかったようです。