K-POPグループのグッズを手にして、尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を要求するソウルのキャンドル集会に参加した若者たち(資料写真、2024年12月9日、写真:Lee Jae Won/アフロ)

(韓光勲:ライター、社会学研究者)

 いま韓国は大統領の弾劾をめぐって騒然としていますが、K-POPグループ「NewJeans」と所属事務所ADOR(アドア)の争いは「第2ラウンド」に入った感があるので、直近の動きをレポートしたいと思います。

「アドアに残る理由がない」

「アドア側はNewJeansの要求を受け入れたり、改善する姿勢が全く見られない。アドアには所属グループであるNewJeansを保護する意思も能力もない」──。11月28日、NewJeansが記者会見を開き、アドアからの退社を発表しました。

 記者会見の前日は、11月13日に送った内容証明の期限でした。NewJeansは、アドア側が満足に回答していないことを理由に、11月29日から専属契約を解除すると宣言したのです。

 会見の中で、メンバーのダニエルさんは「アドアから出て自由な活動をしたい」と発言しました。すでに予定されているスケジュールや広告の仕事は契約通りにするとのことですが、今後の活動はより一層不透明になりました。

 ただ、NewJeansの今後の活動計画はいずれにせよ白紙状態だったのも事実です。日本では6月に東京ドームでライブを行いましたが、単独ライブはそれが最後です。いまが一番勢いがあって旬なアイドルなのに、ライブを開けないのはかなりの損失です。この問題が長引けば長引くほどマイナスなのです。NewJeansには「早く決着をつけたい」という焦りがあるはずです。