もはや「終身大統領」か?

 エリツィン大統領は1999年末に任期途中で退任し、首相のプーチン氏が臨時代行となります。3カ月後の大統領選では52%の得票率で勝利。2代目の大統領となったプーチン氏は、与党「統一ロシア」の強化を図って政権基盤を固めました。そして、2004年の大統領選では得票率71%で圧勝し、再選を果たします。

 任期を連続2期までとする憲法の規定に従い、プーチン氏は2008年で退任することとなりましたが、腹心のメドベージェフ氏を首相から大統領に据え、自らは首相となって実権を握ったまま離しませんでした。2人が協力して政権を担う「タンデム体制」と呼ばれた時代です。

 メドベージェフ氏は1期で退き、プーチン氏は2012年に大統領として再登板します。この時の得票率は63%。2014年にウクライナのクリミア半島を併合した後に実施された2018年の大統領選では、76%で圧勝しました。「強いロシア」「大ロシア」を目指して旗を振るプーチン体制は、ここから一層、強固になっていくのです。

「連続2期まで」という憲法の規定によりプーチン氏の任期は今年で終了するはずでした。しかし2020年、国民投票による憲法改正によって現職や大統領経験者の過去の任期はカウントしないことが決まりました。これによりプーチン氏はさらに12年間、2036年まで続投が可能になったと言われています。向かうところ敵なしのプーチン氏はいまや「終身大統領」と呼ぶ声もあります。