ヨルダンの米軍基地で親イラン派勢力からドローン攻撃を受けて死亡した米兵3人の遺体が帰還。出迎えたバイデン米大統領(写真:ロイター/アフロ)

50を超える国・地域を網羅する米国の軍事ネットワーク

 2024年1月28日、ヨルダン北東部の砂漠地帯にある米軍基地が、敵対する親イラン勢力のドローン攻撃を受け、死者3名、負傷者約40名の被害を出した。

 バイデン米大統領は直ちに報復を決意し、2月2日にB-1戦略爆撃機を繰り出し、隣接するイラク、シリア両国内に潜む親イラン武装勢力や、イランの革命防衛隊(パスアラン)の拠点を精密誘導弾でピンポイント攻撃した。

シリア・イラク領内のイラン関連施設を報復攻撃した米軍(写真:Hashd al-Shaabi Media Office/UPI/アフロ)

 今回の事件で、「ヨルダンの辺境の地にまで米軍が進出しているのか」と、改めて驚いた方も少なくないだろう。

 2013年に当時のオバマ米大統領は、「アメリカはもはや世界の警察官ではない」と断言し、世界に衝撃が走った。あれから10年、確かにアメリカは大軍を投入したアフガニスタン、イラクの2つの戦争からも撤退したことから、世界中に散らばる無数の米軍基地も畳んで“世界の警察官のバッジ”を返上しても不思議ではない。

 ところが今回、図らずも相変わらずアメリカが世界中に軍隊を置き続け、「やめたくてもやめられない」実態を垣間見せられた格好ともなっている。

 実際、米軍の巨大な軍事ネットワークは地球規模に及び、「太陽の沈まぬ軍隊」と皮肉る向きもある。星条旗をつけた兵士が駐留する国や地域は優に50を超え、数字の多さに改めて驚かされる。

 英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」が毎年発行する『ミリタリーバランス(2023年版)』などによると、米軍の海外駐留兵力は23万人弱で、南極を除く全大陸に将兵を置く。これほどのスケールはアメリカ以外になく、中国、ロシアも真似できないだろう。

>>【表】これが世界中の国・地域に散らばる米軍の兵力だ!(ほか画像7枚)