イラン軍が公開した新型無人機(1月24日、提供:Iranian Army Office/ZUMA Press/アフロ)

指導者の報復暗殺計画も浮上か

 米国内で対イラン強硬論が浮上する中、ジョー・バイデン米大統領は、無人機攻撃で米兵3人を殺害、約40人を負傷させたシーア派過激派組織「カタイブ・ヒズボラ」の拠点を攻撃することを決定した模様だ。

 米軍報道専門サイト「ミリタリー・ドットコム」が仄めかした。

 同組織の拠点はイラク、シリアに点在しており、報復攻撃はミサイル、無人機によるほか、大規模なサイバー攻撃となる。さらに同組織の指導者アフマド・アルハミダウィ氏の暗殺計画も含まれているようだ。

military.com//3-troops-killed-jordan-drone-attack-were-soldiers-same-georgia-based-unit-pentagon-says.

 国防総省は、今回の無人機による攻撃がイランと連携をとってイラクのISIS(シリアとイラクのイスラム国)やシリアの反政府軍に対する戦闘作戦に参加してきたカタイブ・ヒズボラと断定しているという。

 同組織は、イラン・イスラム革命防衛隊コッズ部隊から訓練、資金、後方支援、武器、諜報を受ける一方、レバノンのヒズボラからも訓練と武器の提供を受けている。

 米国務省は、2009年7月、同組織を「外国人テロ組織」に指定、2020年2月には同組織の指導者、アフマド・アルハミダウィ氏を「特別指定テロリスト」に指定している。

dni.gov/nctc/ftos/kh

 バイデン氏がアフマド・アルハミダウィ暗殺計画に踏み切った背景には、ドナルド・トランプ大統領(当時)が2020年1月、イラン・イスラム革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を無人機による空爆で殺害した「前例」が念頭にあるようだ。

(トランプ氏は、イランが米民間人を殺害した報復として、国防総省当局が「最も極端な選択肢」として提示したソレイマニ暗殺計画を選んだとされる)

bbc.com/news/world-middle-east

 アフマド・アルハミダウィ暗殺計画については、共和党強硬派のマイケル・ウォルツ(フロリダ州選出)、ダン・クレンショー(テキサス州選出)らが要求している。