ニッキー・ヘイリー氏の人気が高まっている(写真は2023年2月16日に大統領選出馬を表明した時のもの、写真:ロイター/アフロ)

優柔不断のデサンティス失速、4位転落

「米国選挙の年」の幕が上がった。共和党大統領候補を決める州ごとの予備選序盤戦は以下の通りだ。

 すべて「Open Primary(オープン・プライマリー)」か、「 Semi-Closed Primary(セミ・クローズド・プライマリー)」で、党員以外の有権者も投票できる。

1月15日:アイオワ州党員集会

1月23日:ニューハンプシャー州予備選

2月3日:サウスカロライナ州予備選

2月6日:ネバダ州予備選

 ドナルド・トランプ前大統領は刑事裁判を4つも抱えながらも各種世論調査では断トツで独走してきた。

 だが、アイオワ州党員集会が1週間後に迫り、異変が起こったのだ。

 同州党員集会8日後に予備選が行われる東部ニューハンプシャー州で行われた12月、1月の世論調査で、トランプ氏は、2位のニッキー・ヘイリー元国連大使(元サウスカロライナ州知事)に4ポイントまで迫られた。

 トランプ支持・不支持を鮮明にしないフロリダ州のロン・ディサンティス知事は急降下、トランプ批判を強めるクリスティ・クリス元ニュージャージー州知事は10%台で3位に上がっている

 同州に本拠地を置く共和党系世論調査「アメリカン・リサーチ・グループ」(American Research Group)の結果はこうだ。

           12月        1月

トランプ       33%        37%

ヘイリー       29%        33%

クリスティ      13%        10%

デサンティス     6%         5%

americanresearchgroup/pres2024/rep/

 4件の刑事裁判を抱えるトランプ氏は世論調査を「国民からの絶対支持の証だ」と金科玉条にしてきた。

 だから、この世論調査結果にトランプ氏は早速噛みついた。SNSで「この調査はフェイクだ、でたらめだ」と反論した。

 だが、同世論調査と前後して実施されたセント・アンセルモ大学の世論調査でもヘイリー氏は30%を獲得してトランプ氏(44%)に急追している。

anselm.edu//new-poll-saint-anselm-college-survey-center-finds-nikki-haley-clear-choice-voters-have-unfavorable-opinion-former-president-donald-trump