バイデン大統領に立候補断念を迫るナンシー・ペロシ前下院議長(写真は2020年2月24日、当時のトランプ大統領による一般教書演説原稿を破り捨てた時のもの:ロイター/アフロ)

著名ジャーナリスト2人のシナリオ

 来年11月5日投開票の米大統領選まであと1年。共和党の最初の予備選(アイオワ州党員集会)まで1か月に迫った

 民主党は再選を目指すジョー・バイデン大統領(81)、共和党は返り咲きを狙う「刑事被告人」ドナルド・トランプ前大統領(77)の指名獲得が有力視されてきた。

 よほどのことがない限り、2020年大統領選で相まみえた2人の再戦が現実味を帯びてきた

 異例の「高齢者対決」、そして4つの法廷で裁きを待つ「刑事被告人」が大統領候補として現職大統領に挑戦するという前代未聞の大統領選。

 一部の熱狂的なトランプ支持者はともかくとして、米一般国民の間には政治に対する虚無感、閉塞感が漂っている。

 しかも、再選を狙う現職大統領の二男も脱税を含む9件の刑事罰で起訴されている。

「もっとまともな候補者はいないのか」(筆者の隣人、元会社重役)というため息がそこここで聞かれる。

 バイデン、トランプ両氏がどれほど嫌われているか。

 ハーバード大学・ハリス世論調査機関が実施した世論調査では67%がバイデン氏について「大統領を務めるには高齢過ぎる」と答えている。

 同調査では「大統領選に立候補すべきでない」との意見がバイデン氏は63%、トランプ氏は54%で、いずれも多数派を占めた。

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 その一方で、共和党候補指名争いの世論調査では、トランプ氏が他の候補を抑えて圧倒的な強みを見せている。

 民主党でも現職大統領が再選を狙うと公言している以上、党機関としては動けない。

 第一、両者(そして親族、側近たちも)ともに再選に向けた意欲は衰えていない。それどころか、理由は異なるにしてもその意欲は日を増すごとに強まっている。