アイオワ州予備選:勝つには勝ったトランプだが、前途多難の予感満載
政教分離お構いなしのエバンジェリカルズに共和党内からも反発
2024.1.17(水)
高濱 賛
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インド系女性候補、ヘイリー19%獲得
「冬帝(冬将軍)*1の日ざしの中を歩み出す」
米大統領選の共和党予備選が、人口320万人の中西部アイオワ州の党集会投票で始まった。
世論調査の結果通り、ドナルド・トランプ前大統領(77)が他候補に差をつけて勝った。
得票数 比率 代議員数
トランプ 5万6269 51.0% 20人
ロン・デサンティス 2万3420 21.2% 8人
ニッキー・ヘイリー 2万1085 19.1% 7人
(開票95%現在)
(nytimes/elections/results-iowa-caucus)
*1=冬将軍とはロシア遠征に失敗したナポレオンからきているらしい。まさに91件の刑事罰裁判を抱えつつ党内に隠然たる影響力を持つ「闇将軍」ドナルド・トランプ前大統領が再選に向けて正式スタートするにはぴったりの厳寒の候である。
アイオワ州のこの日は摂氏氷点下25度以下。寒さで集会出席を諦めた人もいるが、トランプ支持派は送迎作戦を導入して全員出席を強要したとの情報もある。
トランプ、ギリギリ50%を超えただけ
同州共和党支部は、党全国党大会に送り込む代議員4750人うち40人を決めた。トランプ氏は最低20人を確保した。
代議員数40人は全代議員数の2%。あまり大した数ではない。
この選挙の最大の焦点は、共和党有権者がトランプ氏指名をどれほど真剣に考えているかを占ううえでの最初の政治イベントという点だった。
その結果、トランプ氏の支持派、この白人保守派の牙城ですら50%をやっと超えたに過ぎなかった。
昨年末まではアイオワ州世論調査では「泡まつ候補」だったヘイリー氏が20%近くの票を取り、落ち目といわれたデサンティス氏も20%の大台に乗せたことで「期待感」を高めた。