ニューハンプシャー州予備選で勝利しポーズを取るトランプ前大統領(1月23日、写真:ロイター/アフロ)

トランプ54.6%、ヘイリー43.3%をどう読むか

 ドナルド・トランプ前米大統領がアイオワ州に続き、ニューハンプシャー州でも勝利した。

 ニューハンプシャー州予備選での得票率はトランプ氏54.6%、ニッキー・ヘイリー元国連大使は43.3%(95%開票段階)。

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 選挙直前の世論調査ではトランプ氏は50%、ヘイリー氏は35%だったから、かなり追い詰められた。

 この結果をどう見るかだが、共和党の伝統的保守派の中には、「共和党員の半分が反トランプだ」と強がる者もいれば、「『リンカーンの共和党』は今や『トランプ党』になってしまった」と嘆く者もいる。

 ここで伝統的保守派というのは、ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領(息子)やディック・チェイニー元副大統領の長女、リズ・チェイニー前共和党下院議員総会会長たちだ。

 ここで言う「リンカーン党」(GOP=Grand Old Party)とは、黒人奴隷を解放し、グローバリズムを推進しようとする従来からの共和党であり、「トランプ党」(MAGA=Make America Great Again Party)は白人至上主義、国際的孤立主義を推し進める改革派共和党ということになる。

 そしてニューハンプシャー州の共和党員支持者の5割強は後者を選んだ。

 ニューハンプシャー州予備選で勝利した候補のうち6人中5人(ブッシュ氏は負けている)が共和党大統領候補に指名されるというジンクスがある。

「よほどのことがない限り」トランプ氏は11月の大統領選に共和党候補としてホワイトハウスを狙うことになる。

 そして、「よほどのことがない限り」民主党大統領候補はジョー・バイデン大統領となり、両者は4年ぶりに2度目の対決に臨む。

 トランプ氏については、日本では(物事をはっきり言い、批判を恐れぬ言動や逆境に立ち向かうカリスマ性からか?)大変な人気のようである。

 だが、英国はじめ欧州では(西欧的モラルの欠如、法律無視、西側同盟無視などから?)ひどく評判が悪い。特に同氏の発言が通訳抜きでストレートに入ってくる英国人の目には品性劣等な人物と映っているようだ。