世界景気が悪いのではない。日本、アメリカ、韓国、台湾など、世界の株価は上昇している。中国の「一人負け」状態なのだ。2月7日には、中国の証券業務を統括する中国証券監督管理委員会(証監会)の易会満(えき・かいまん)主席が突如、クビになってしまった。後任には、呉清(ご・せい)上海市党委副書記が就くという。

売れ残り家屋の総床面積は東京23区以上

 物価も同様だ。周知のように、日本のモノの価格は上がりっぱなしで、それはアメリカもヨーロッパも同様だ。だが中国だけは、今年1月の住民消費価格(CPI)が-0.8%。リーマンショック後以来、14年ぶりの下落率で、すでにデフレスパイラルが懸念され始めている。

 不動産に至っては、惨憺たるものだ。昨年12月の70大中都市新築商品住宅販売価格は、前月比で下落したのが62都市に及んだ。中古住宅販売価格に至っては、70都市すべてが前月比で下落した。

 不動産統計で「プラス成長」なのは、2023年末時点での商品家屋売れ残り面積くらいで、+19.0%の6億7295万m2。これは東京23区の面積(627.53km2=6億2753万m2)よりも広い!

 こうした状況が2024年も続けば、来年の春節には、こんな一句になってしまうだろう。

 めでたさも小くらいなりおらが春

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