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 2024年、新年快楽!(新年明けましておめでとうございます!)

「2024年の中国はどんな年になるか?」――昨年末によく聞かれた質問だ。私は「中国ウォッチャー」であって、「中国予言者」ではないので、ピタリと言い当てることはできない。

 だが、漠然とした方向性ならば答えられる。ひと言で言うなら、絶対的権力を持つ習近平主席が行おうとすること(もしくは行いたいこと)と、14億国民が望むこととの「乖離」が、さらに進んでいく一年になりそうだということだ。

 昨年末に、図らずもこうした傾向を象徴するような二つの出来事があった。まずは習近平主席の意向について述べる。

毛沢東生誕130年の記念行事で長舌

 習主席が崇拝してやまない「建国の父」毛沢東元主席は、1893年12月26日に、湖南省韶山(しょうざん)で生まれた。つまり、2023年12月26日は、生誕130周年の記念日だった。

 この記念日の習主席は、気合十分だった。明け方に気温-8度を記録した凍てつく朝、党中央政治局常務委員(トップ7)全員と韓正副主席を引き連れ、天安門広場にある毛沢東記念館を参拝した。

 参拝を終えると、隣の人民大会堂に場所を移して、数百人の幹部たちを集めて、「毛沢東同志生誕130周年座談会」を開催した。そこで、A4用紙にして6枚半にも及ぶ長大なスピーチをぶったのだった。

12月26日、中国・北京の人民大会堂で毛沢東生誕130周年を記念して中国共産党中央委員会が開催したシンポジウムで演説する習近平主席12月26日、中国・北京の人民大会堂で毛沢東生誕130周年を記念して中国共産党中央委員会が開催したシンポジウムで演説する習近平主席(写真:新華社/共同通信イメージズ)