2020年8月5日、逃亡犯条例改正に反対する「違法集会」を扇動した罪に問われた裁判に臨むため、裁判所に出廷した周庭氏2020年8月5日、逃亡犯条例改正に反対する「違法集会」を扇動した罪に問われた裁判に臨むため、裁判所に出廷した周庭氏(写真:ロイター/アフロ)

「私は現在、カナダのトロントに滞在しています。もう永遠に、香港には戻らないと決めました……」

 12月3日、香港の民主活動グループ「香港衆志」で副事務局長を務めた周庭(Agnes Chow)氏(27歳)が、SNSで衝撃の「亡命宣言」を行った。その後、日本メディアなどのインタビューにも答え、香港の民主が大きく後退している現状を訴えたことから、世界的な話題を呼んでいる。

「恩を仇で返された。全力を挙げ逃亡犯をひっ捕らえる」

 当の香港も、激震している。5日には、ついに香港トップの李家超行政長官が、「周庭問題」に言及。激しい怒りをぶちまけた。

「香港政府は全力を挙げて、国家の安全に危害を及ぼすいかなる逃亡犯をもひっ捕らえる。周庭は、外国もしくは境外の勢力と結託し、国家の安全に危害を与えた容疑で拘束された。そのような保護措置を放棄し、逃亡した人物に対して、警察は必然的に、全力でひっ捕らえる。

 いかなる逃亡犯も、いますぐ自首することだ。そうでなければ終身、逃亡犯であり続け、終身追われる身となるだろう。

香港の李家超・行政長官香港の李家超・行政長官(写真:Vernon Yuen/NurPhoto/共同通信イメージズ)

 一部の逃亡犯は、誠実さを装い、言い訳をつけて同情をでっちあげ、自己を光り輝くよう見せようとしている。まったくもって恥ずべき行為だ。

 香港警察は、本件で寛大な処置を試した。だが恩を仇で返されたのだ。最も失望しているのは、寛大な処置を担当した者たちだろう。香港警察は今回の経験を総括し、法規を有効にし、国家の安全の維持・保護を確保していく。そして糸を引いている外部勢力には、打撃を与えていく」