5月20日に台湾総統に就任する頼清徳氏5月20日に台湾総統に就任する頼清徳氏(写真:ロイター/アフロ)

 1月13日の台湾総統選挙で、見事当選を果たした頼清徳(らい・せいとく)副総統は、5月20日に、晴れて第16代中華民国(台湾)総統に就任する。蔡英文(さい・えいぶん)総統が2期8年務めた後、3期目の民進党政権となる。

与野党拮抗の中で行われた立法院長選出

 そんな中、2月1日、総統選挙と同日に行われた立法委員(国会議員)選挙で当選した113名の立法委員が、一足早く、立法院(国会)に「初登庁」した。任期は、同日より4年である。

 立法院の議席は、与党・民進党が51議席、第一野党・国民党が52議席、第二野党の民衆党が8議席、無所属が2議席。民進党、国民党ともに、過半数の57議席に達していないところがポイントだ。

 そこで、俄然注目を浴びているのが、総統選挙で3位となって敗れた柯文哲(か・ぶんてつ)前台北市長が率いる民衆党である。「わずか8議席」にすぎないが、民衆党が民進党と組むか、国民党と組むかで、過半数に達する。

記者会見する台湾民衆党の柯文哲主席(左)=1月31日、台北(写真:中央通信社=共同)記者会見する台湾民衆党の柯文哲主席(左)=1月31日、台北(写真:中央通信社=共同)

 そのため、民衆党は立法院で半端ない影響力を保持することになったのだ。「民主主義の欠陥」とも言える現象の一つだ。