(英エコノミスト誌 2024年1月27日号)

台湾を訪問し蔡英文総統(中央)と会談した米国の親台湾派議員団共同団長のマリオ・ディアス・バラルト議員(共和党、左)とアミ・ベラ議員(民主党、右)(1月25日台湾総督府のサイトより)

中国が侵攻に向けてより強力な合法的援護射撃を得る可能性もある。

 新年を迎えても台湾をめぐる緊張はいっこうに緩むことがない。

 1月13日の選挙では独立志向の頼清徳氏が次期総統に選出され、中国を激怒させた。その2日後には中国側が行動を起こし、南太平洋の島国ナウルが台湾と断交して中国との国交を回復することを明らかにした。

 1月24日には米海軍が軍艦1隻を台湾海峡に派遣して通過させ、中国はこれを「挑発行為」と表現した。

 こうしたドラマが続くなか、外交の舞台では新たな戦いが激しさを増しており、戦争への道が開かれる恐れも出てきている。

台湾を国家と認める国は11カ国だけ

 共産党の率いる中国政府は70年以上の間、世界から公式に認められようと奮闘してきた。最近、その一環として新たな戦線を開いた。

 共産党は中国唯一の代表であることを望むだけではなく、台湾は中国の不可分の領土だという見解をほかの国々にも受け入れてもらいたいと願っている。

 この戦線で勝利を収めれば、中国の指導者たちは台湾侵攻の法的根拠に加え、外交力という大きな棍棒も手にすることになるだろう。

 ナウルは今回の方針転換により、中国を国家として正式に認める183番目の国になった。承認した国の数は20年前には約160カ国で、その30年前には80~90カ国だった(当時は国の数自体が今より少なかった)。

 ほとんどの大国はしばらく前に乗り換えている。

 英国をはじめとする多くの西側諸国は中国との外交関係を1970年代初めに確立した。米国は少し遅れて1979年に国交を正常化した。

 それ以降、承認の獲得では中国がずっと勝っている。台湾を正式に承認し続けている国は、今では11カ国(およびバチカン)にすぎない。