アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で、世界情勢が大きく揺れています。ホルムズ海峡が事実上封鎖される中、原油の中東依存度が9割を超える日本では、ガソリン価格の高騰や電力料金の上昇といった影響が心配されています。日経平均株価も急落するなど、マーケットへの波及も無視できません。
JBpressのYouTube番組「ナナメから聞く」——。今回のゲストは、内閣官房参与も務める明星大学教授の細川昌彦さんです。イラン革命による第二次オイルショックのときには、通産省(現・経済産業省)で原油輸入を担当していました。エネルギーを含む通商・経済安全保障分野の専門家である細川昌彦氏に、JBpress編集長の細田孝宏が話を聞きました。
※詳しい内容は、JBpress公式YouTubeでご覧ください。(取材日:2026年3月5日)
オイルショックとの違いは? 日本の石油依存は3分の1に
——アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃で世界が大きく動揺しています。ホルムズ海峡が封鎖されるとなると、日本経済へのインパクトはどれほどでしょうか。
細川昌彦(内閣官房参与・明星大学教授、以下敬称略):エネルギーの値段が上がり、ガソリンの価格も上がるでしょう。せっかく暫定税率が廃止され価格が下がったと皆さん喜んでいたのに、また上がる可能性が出てきました。食料品も物流コストも、あらゆるものが上がるインフレの要因はかなりあると思います。そうなると政府も支援策を講じる必要性が出てくるかもしれません。
米・イスラエルがイラン攻撃、首都テヘランへの攻撃続く(写真:Abaca/アフロ)
一方で、第二次オイルショックの時と今回を比べると状況は相当違うと見ています。当時、私は役所に入りたてでちょうど原油輸入の担当をしていました。当時、イランで革命が起きて日本にタンカーが来なくなるぞと大騒ぎでした。
——では、第二次オイルショックのときと比べて、どう変わったのでしょうか。
細川:毎日のように報道では日本の原油の中東依存度が9割超だと伝えられています。ただ原油について言うと、日本の一次エネルギーに占める割合が当時は約70%でしたが、今は35%前後にまで下がっています。その分、LNG(液化天然ガス)が約2割を占めるようになりました。原油のエネルギー供給に占める位置づけがかつてほど大きいわけではありません。

さらに、オイルショックを機に日本は石油備蓄を積み上げてきました。国家備蓄だけで146日分、民間備蓄と合わせると約8カ月分はあります。これは世界最大の備蓄日数です。当時には国家備蓄はなかった話です。供給が危うくなればこうした備蓄の放出という手段もあります。